ハロー荘へようこそ!第5話『事件解決!タブーの恐怖』

誘拐された私達3人を助けに来てくれた、武さんと飯田さん。
助かる!と喜んだのも束の間、男達の一言が原因で、嵐が訪れようとしてたのです。

「うるせ~!近づくんじゃねぇよ!このデカ女!!」
「あっ」

一瞬その場がシーンとなりました。
男達は絶対に言ってはならない一言を言ってしまったのです。
その事は武さんも知っていて、ヤバイという感じで頭を押えています。
すると、飯田さんは少し引きつった笑顔でこう言いました。

「今なんつったのかしら?」
「あぁん?デカ女つったんだよボケ!!」

あわわわ、また言っちゃたよ、これは本格的にヤバイです。

「んだとゴラァ!!誰だデカ女だっつうんだよ!このガキどもが!!」
「!!!」

飯田さんは鬼のような形相に変わり男達の所へ駆け出します。
そして、懐から拳銃を取り出し、男の眉間に当てました。
私服だから今って勤務時間外だよね?
何で銃持ってるの?そういえばパトカーも・・・・さすが始末書カオリン・・・。

「お、お前、こんな事して良いのかよ、俺達未成年なんだぞ!」
「ああん?それが何だっつんだよ、ぶっ殺すぞ!このクソガキ!!」
「ひぃ~~~!!」
「それによ、さっきから黙って聞いてればタメ口ききやがって!
 目上の人間に対する礼儀ってもんを知らねぇのか!あぁん!?」

駄目だ、完全に切れちゃってるよ・・・・。
麻琴と小春ちゃんは目の前の状況にガタガタ震えています。
まあ、あれを初めて見たら仕方ないけど・・・・。

「ああなったら誰にも止められないよ」
「武くん、あれっていったい?」

私達の所へ来た武さんに、麻琴は困惑ぎみに聞きます。

「ああ、あいつら最大級のタブーをおかしたんだ」
「タブー?」
「デカ女だよ、昔からこの5文字を聞くとああなるんだ」
「私もあれを見るのは2回目ですけど、あいかわらず凄いですね」
「ああ」

そう、実は私は過去にこれと同じ状況を見ている。
半年くらい前に、商店街で真昼間から酔っぱらってるオジサンががいたんです。
通報を受けて、やって来たのが飯田さん。
そこで、やはり『デカ女』の一言で大暴れしたというわけです。
その時たまたま武さんも近くにいて、真相を教えてくれました。

「し、知らなかった・・・・気をつけよう・・・」
「ああ、そうした方が懸命だ、それより久住さん」
「は、はい」
「東京に来た早々、怖い思いさせてごめんな」
「い、いえ、紺野さんと小川さんがいたので心強かったです」
「そうか、頑張ったな、あさ美、麻琴」
「い、いえ、そんな事ないです」
「そうそう、先輩として当然だよ」
「俺は君がこれから住むハロー荘の管理人の根良武だ。こんなオジサンだけど、よろしくな」
「は、はい、よろしくお願いします」
「それと・・・今暴れてるあの女の人なんだけど、普段は優しいお姉さんだからさ、安心していいからね」
「は、はい」
「それにしても、あの人達大丈夫でしょうか?悪い人達とはいえ、少し可哀想になってきました」
「はは、相変わらず優しい子だな、あさ美は」
「い、いえ、そんな事ないですよ」

武さんが私の事を優しい子だって思ってくれてたなんて。
今日の日記に書かなくちゃ・・・・。

「お、どうやら少し怒りが静まってきたみたいだな」

そういって、武さんは飯田さんの所へ歩み寄り、耳に息をフッと吹きかけました。
最初からは無理ですが、怒りが少し静まってる状態なら、あれで正気に戻るのです。
最初にその方法を見つけたのは誰か知りませんが、その人は天才ですね。

「ひゃぁ!・・・・あれ?」
「よっ、美人婦警さん、ご気分の方はどうですか?」
「あ・・・・・もしかして、またやっちゃった?」
「見ての通り」
「ははははは・・・・これってまた始末書かな?」
「何を今更、勤務時間外にパトカー乗り回し、あげくのはてベコベコにへこましておいて何言ってるんだよ」
「あうぅ」
「あとこいつら・・・どうする?」

武さんはそう言って床で転がっている男達の方を見ます。
男達は先程までの強気な態度は全くみられず、すっかり怯えきってます。
それに・・・・しばらくは入院生活を余儀なくされてしまったようです。

「ひ!ひ~い!!ご、ごめんなさい!もうこんな事しません!!だ、だから殺さないで~!!」
「あらら・・・すっかり恐怖が染み付いちゃったみたいだな」
「まあ・・・・・仕方ありませんよ、あのキレ方を体験しちゃったら」
「そうだな、あのキレ方は髪形を馬鹿にされた時の仗助に匹敵するからな」

何やら意味不明な単語が武さんの口から飛び出ました。
私は思わず聞き返してしまいました。

「はっ?仗助って何ですか?」
「知らない?クレイジーダイヤモンドのスタンド使いなんだけど」

クレイジーダイヤモンド?スタンド使い?
本当に意味不明です。
その時不意に小春ちゃんが口を開きました。

「ジョセフの子供ですよね、しかも浮気の末に生まれた隠し子」
「おっ!知ってるんだ?でもその当時まだ幼稚園ぐらいだよね?」
「ミラクルマニアですから」
「お~たのもしいねぇ」
「はい!第1部から知ってますよ、まあその頃私は生まれてませんでしたけど。
 あっ!ちなみに1番好きなスタンドは4部に出てきた『ボーイ・Ⅱ・マン』です」
「ま、またマニアックなものを・・・ちなみに俺は5部の『ノトーリアス・B・I・G』ね」
「そっちの方がマニアックですよぉ」
「そうか?でも3部の『ティナー・サックス』って言うよりマシだろう?」
「まあ確かに、でもケニー・Gのスタンドの名前を知ってるだけでも希少ですよ」
「「ははははははは」」

そう言って2人はのん気に笑いあってます。
私には意味不明な単語の連続でしたが・・・・。
これがジョジョの奇妙な冒険という漫画の話だと私が知ったのは、しばらくたってからの事です。

「おし!じゃあ帰るぞ、皆も心配してるしな」
「そうね、みんな早くカオリン号に乗って!」

飯田さんは笑顔でそう言いました。
でも・・・・・。

「飯田さん、それ動くんですか?」
「へっ?・・・・・・あ~~~~!!!」
「煙出てるぞ、やっぱり始末書、下手したらクビだな」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」

飯田さんは無残な姿のパトカーを見て大声を上げました。
武さんは、これから飯田さんに待ち受けてるであろう未来を予言します。
麻琴と小春ちゃんは言葉を失い、口をポカ~ンと開けていました。
まあ麻琴はいつも開いてるけど・・・。

「ははははははは、レッツポジティブシンキング!!」

飯田さんの悲壮な叫びが響きました。
こうして、私達が巻き込まれた事件は幕を閉じたのです。
その後、皆ががどうしてるかというと・・・・・。

「大変だねぇカオリ・・・・」
「も~人事だと思って~」
「あはははは、だって人事だも~ん」
「まあ、せいぜい頑張るんやな」
「この薄情者~!!」

飯田さんは、山のような始末書と、謹慎1カ月、3ヶ月の減給処分で許してもらいました。
その横では、中澤先生と、飯田さんと同郷の安倍さんが笑っています。
それにしても一般人を病院送りにし、パトカーで帰宅、暴走、そして大破、私服で拳銃所持。
あれだけの事をやってよくそれだけで済んだと思います。

「皆さん、これからよろしくお願いします!」
「「カッワイイ~」」
「むむむ、可愛さではさゆみも負けないもん!」
「私だって負けないわよ!」
「絵里も負けません!」

小春ちゃんは、後日改めて行われた歓迎会で、寮の住人達ともすっかり仲良くなりました。
石川さん、亀ちゃん、重さんの3人は妙な対抗意識を燃やしてました・・・・。
まあこの3人なら、いたって普通の反応なんでしょうけど・・・。

「こんこん、今日はあそこで食べてこう!」
「え~でも太るよ?」
「そんなん知らん!大体食べても大して太らない人がよく言うよ、裏切り者が~!」
「裏切り者って・・・何でそうなるの?」

私と麻琴は・・・・まあ食べるの大好きって事で・・・・・。
食べ過ぎたら・・・・頑張ってダイエットすればいいですね・・・・。
そして武さんはというと・・・・・。

「う~ん!今日もいい天気だ!!さ~て管理人業、頑張りますかねぇ」

今日も、ハロー荘の管理人として頑張っています。

「武さんおはようございます」
「おはよう、しかしこの間は災難だったな」
「ははは、まあ良い経験って考えるようにしますよ」
「う~む・・・意外とポジティブなのな、あさ美って」
「へへ」
「まあ確かにあんな経験はそう出来るもんじゃないわな」

武さんはそう言って笑います。
うん、何かこういう時間って凄くいいな、ちょっとした幸せってやつ・・・。

「それじゃあ学校行ってきます」
「ああ、気をつけてな」
「はい!」

私はそんな小さな幸せを感じながら学校へと向かうのでした。

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