ハロー荘へようこそ!第4話『突撃!いざ救出?』

私と、麻琴、小春ちゃんの3人は、真っ暗な倉庫らしきとこにいます。
小春ちゃんを迎えに行った駅で、数人の男達に眠らされ連れてこられてしまったのです。
逃げようと試みもしたが、両手両足を縛られているので、それもかないません。
男達がどこかに行ってる今がチャンスなのに・・・。

「あさ美ちゃ~ん、お腹空いたね」
「こんな状況なのに、何のん気な事を言ってるの」
「だぁって、もう歓迎会始まってるよ」
「主役がいないのに始まるわけないでしょう」
「ああ、それもそうだね、あはははは」

はぁ・・・・何てアホな子・・・・。

「ごめんね小春ちゃん、同じ新潟出身の先輩がこんなアホで」
「アホって何だよぉ!こんこんのバカ!!」
「失礼ね、バカじゃありません」
「私だってアホじゃなおもぉん」
「言い方がアホっぽい」
「もお!むかつく!!」

こんな時に喧嘩なんて、不謹慎だったかもしれません。
でも、気を紛らわすには、こうするしかなかったのです。
その時、小春ちゃんがポツリと呟きました。

「・・・・・・・さい」
「えっ?」
「ごめんなさい・・・・・」

小春ちゃんは俯き、今にも消え入りそうな声でそう言いました。

「何で謝るの?あなたは何も悪い事してないじゃない」
「そうだよぉ、小春ちゃんは何も悪くないじゃん」
「だって、こんな事になったのって、私を迎えに来たせいだし・・・」

この子、そんな事を気にしてたんだ。
まあ、この状況に混乱してるんだろうけど。

「・・・私のせいで・・・・ごめんなさい・・・」
「ばかね、アナタのせいなんかじゃないよ、だから泣かないで」
「そうそう、だから気にしない気にしない」

麻琴は笑顔でそう答えます。
アホっぽいけど、こういう時の麻琴の明るさって頼もしい。

キーッ バタン

その時扉が開き、私達をさらった男達が入ってきました。

「お譲ちゃん達、大人しくしてたかい?」
「ふざけないで!何でこんな事するんですか!?」
「ちょっとした暇つぶしかな?」
「なんですって!」

めったに怒る事のない私ですが、男達のあまりに身勝手さに怒りが沸いてきました。
しかし、男達はヘラヘラ笑いながら、更に信じられない事を口にしました。

「それに女子高生の裏モノって高く売れるんだよ、小遣い稼ぎには最適ってわけだ」
「ふ、ふざけないで!そんな事してただで済むと思ってるの!」
「なぁに、捕まったって俺達は未成年だ、たいした罪にはならないぜ」
「なんて身勝手なの!恥かしいと思わないのかよ!」

麻琴も怒りが頂点に達してるようで、口調がだいぶ荒くなってます。

「へへへへへ、これから恥かしい思いをするのはお前たちだよ!」
「そうそう、だからそんな怖い顔してちゃ駄目だぜ」

人を本気で殴りたいと思ったのは、生まれて初めてです。
縛られてさえなければ、こんな奴ら得意の空手でやっつけるのに。

「さぁて、そろそろお楽しみの時間といこうか、まずはプニプニほっぺの姉ちゃんからにするか」

男達が私に近づいてきます。
やだ、いやだ、助けて・・・・・誰か助けて・・・・・・・武さん・・・。

「覚悟しな!!」
「いや~!!!!」

ドッガ~ン!!!!

もう駄目だと思った瞬間、大きな音と共に何かが突っ込んできました。
砂煙が舞っていて、その姿ははっきりとは見えません。

「な、何だ、何が起きたんだ!?」

男達も驚いているようです。
そして、徐々に砂煙が消えていき、その姿を確認した時、男達は更に驚きの声を上げます。

「け、警察!?何で警察が突入してくるんだよ」

そう、そこにあったのは、1台のパトカーでした。
そして、そのフロントガラスの奥に微かに見える顔は、私のよく知る人だったのです。

「い、飯田さん!?」
「えっ!?飯田さんが来てくれたの?」
「うん、間違いないよ、助かるようちら!」

私達が喜びの声を上げていると、運転席のドアが開き、飯田さんが出てきました。

「東に泥棒いるならば、行って有無も言わさずぶん殴り、
 西で虐待あるならば、有無も言わさずやっぱりぶん殴る、
 南と西は・・・面倒だから省略するけど、とにかく悪が許せない!
 アップフロント署きっての美人婦警、飯田圭織ただいま参上!」

・・・・い、飯田さん・・・・・・・・。
飯田さんの口上に、私を始め、その場にいた全員が言葉を失ってます。

「・・・・あら?反応が薄いわね、南と北を省略したのがまずかったかしら?じゃあもう一回ね?」

はっ?もう一回って、そんな事より・・・・・。

「東はスタイル抜群文学少女、西は明朗活発アイドル少女、
 南はエンジェル系幼馴染、北は行動派巨乳少女・・・」

あ、あの、それって全然口上になってないっていうか、いちご・・・。
その時、助手席のドアが開きヨロヨロと人が出てきました。
あ、あれは!

「武さん!!」
「武くん!!」

私と麻琴は同時に声を上げました。
飯田さんだけじゃなくて、武さんも来てくれたんだ。
武さんは私達が無事なのを確認するとほっとした表情を浮かべました。
そして、飯田さんの所に歩み寄り・・・。

バシッ!

「えっ!?」

飯田さんの後頭部を叩いたのです。
しかもハリセンで、何であんな物を持ってたんだろう?
もしかしてパトカーに常備されてる・・・わけないよね?

「無茶すな~!!」
「いった~い、何するのよ~!」
「何でわざわざパトカーごと突っ込むんだよ!車体ベコベコじゃねぇか!」
「だって~」
「だってもへちまもねぇ!」
「もうなによ!公務執行妨害で逮捕するわよ!」
「逮捕できるもんならしやがれ!大体さっきのアホな口上は何だ!」
「アホって何よ!カッコイイじゃない!!」
「どこがだ!それに何処に美人婦警がいるっていうんだよ!」
「何ですって!アンタ生意気よ!!」
「どっちが生意気なんだ!!大体にして2回目のは『いちご100%』のキャラ紹介じゃねぇか!」
「何よ!アンタいちご好きじゃない!」
「ああ好きだよ!しかも東城推しだよ!でも今は全然関係ねぇ!!」
「私は西野よ!」

・・・・あ、あの、お二人さん?
今はそんな下らない事で言い合ってる場合じゃないんですけど・・・。

「私は北大路さんだなぁ」
「私は唯ちゃんです」

えぇ!この状況でこの2人は何を反応してるの!
でもそうか、武さんは東城さんか、私似てるって言われた事あるんだよね、ラッキーかも・・・。
ってだから、そんな場合じゃな~い!

「あの武さん!飯田さん!そんな事より・・・」

その時、男達が声を張り上げました。

「うるせ~!てめぇら状況分かってるのか!?」
「こいつらがどうなってもいいのか!?」

そうそうその通り、今だけは男達の意見に賛成です。

「・・・・圭織、今は3人を助ける事を優先するぞ」
「そうね・・・・、ねぇ貴方達、こんな馬鹿なこと止めなさい。今なら重い罪にならなくて済むわよ」
「うるせぇ!サツが偉そうに説教たれてるんじゃねぇよ!」
「まあまあ、そんな興奮しないで?ちゃんと話し合いましょう、悪いようにしないから」

飯田さんは男達を諭そうと、笑顔で少しづつ歩みよります。
さすがこういった相手の扱いは慣れてるって感じです。

「ほら、ご両親だって悲しむわよ、ねっ?」
「うるせ~!近づくんじゃねぇよ!このデカ女!!」
「あっ」

嵐の予感です・・・・。

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