ハロー荘へようこそ!第3話『事件発覚!始末書カオリン登場』

ハロー荘ではちゃくちゃくと歓迎会の準備が進んでいた。
今日からここの住人になる、久住小春ちゃんの為の歓迎会だ。
すぐ近くでは、瞳さんが鼻歌を歌いながら飾り付けをしている。
しっかし、この人のこの派手な格好、どうにかならないのかよ。
露出度高すぎだっての、目のやり場に困るんだってば。
そんな俺の視線に気付いたのか、瞳さんが急に振り返った。

「なぁに、武ちゃん、私のセクスィ衣装に目が釘付けなの?」
「ち、違います!」
「照れなくてもいいのよぉ」

絶対俺をからかって遊んでるな・・・。
俺が困惑していると、瞳さんが思い出したかのように呟いた。

「それにしても、紺ちゃん達遅いわね」
「えっ?」

瞳さんに言われて気付いた。
もうかれこれ4時間は経っている。
駅までは1時間はあれば行けるから、とっくに帰ってきていい時間だ。

「もしかして事故とかにあったんじゃないの?」
「ふ、不吉な事言わないで下さいよ」

そんな俺達の話を近くで聞いていた、住人の辻希美が会話に入ってきた。

「そういえば、駅でこんこんと麻琴と、あと知らない子が3人でいるの見たよ」
「本当か!?それでどうしたんだ!?」
「うんとね、知らない男の人の車に乗せられてた」
「そうか、知らない男の車に・・・・・・・なっ、なぁにぃ!!!」
「ちょっと、それってどういう状況だったわけ?」
「ハンカチ口に当てられたら急に寝ちゃってた、よっぽど眠かったんだね」
「それって誘拐じゃねぇか!何で今まで黙ってたんだよ!!」
「ほぇ?」
「ほぇ、じゃねぇ!!このバカタレ!!」

希美から知らされた驚愕の事実、大事件だよ爺ちゃん!

   ◇

あれから更に1時間が経った。
あさ美達はまだ帰って来ない。
つまりは、希美が見たのが事実だという証拠なわけで。

「歓迎会どころじゃなくなったね」

隣りで梨華が呟く。

「希美は?」
「泣き疲れて寝てる、あんまり怒らないであげてね」
「ああ、分かってる・・・あいつは悪くない、俺のせいだ」
「えっ?」
「俺が迎えに行けばこんな事にならなかったんだ、だから俺のせいなんだ」
「そんな事ないよ、だって誰もこんな事予想できないもの」
「でも・・・・」

その場にいる全員は暗い表情だった。
3人の無事を祈りながらも、犯人からの連絡も無い以上、どう行動したらいいか分からない。
その時、その場には不釣合いな明るい声が寮内に響きわたった。

「たっだいまぁ~歓迎会遅れてごめんねぇ!ってあれ?暗い・・・どうしたの?」

そこに現れたのは、この寮の住人で、婦人警官の飯田圭織だった。
警察署内では、始末書カオリンの異名もつ、ハチャメチャ婦警なのだ。
婦警・・・・・・・警察・・・・・・・。

「そうだ!警察!!何で忘れていたんだ!!」
「そうだよ、警察だよ!」

梨華も声を上げる。

「何?カオリは警察官だけど・・・・どうしたの?」

俺達は、あさ美達が誘拐された事を圭織に伝える。
それを聞いた圭織は驚きはしたが、すぐに笑顔になりこう言った。

「よし、じゃあ助けに行こう!」
「助けにって、どこにいるかも分からないんだぞ?」
「分かるよ」
「だろ?分かるくせに、簡単に助けに行くなんて・・・・」

・・・・・んっ?分かる?今、分かるって言ったのか?

「分かるだって!?」
「うん」
「何で分かるんだよ!」
「へっへ~ん、こんな事もあろうかと、皆の携帯には、カオリが独自で開発した
 超・スーパー・ウルトラ・ハイパー・グレート・ミラクルGPS機能を勝手に搭載させてもらってるからね」
「「え~~~~!!!」」

その場にいた全員が大声を上げる。

「でも、超とスーパーって同じ意味じゃないの?」

美貴が律儀に突っ込みを入れる。
でも突っ込みを入れる箇所が違うような気が・・・。

「美貴、今は突っ込んでる場合じゃない」
「ああ、そうだね、ごめん続けて」
「凄いわよこれ、特に紺野のやつは、普通のGPS携帯の10.5倍は高性能なんだから」
「なに?その中途半端な数字は」

美貴はどうしても突っ込みを入れたいらしい。
さすが、ツッコミキティ・・・・・。

「そんな事より助けに行くんでしょう?外にパトカーあるから早く乗って!」

パ、パトカーって・・・警察車両で帰宅して問題ないのか?
そんな疑問が頭をよぎったが、俺は助手席に乗り込んだ。

「じゃあ、あとは頼んだぞ」

俺は住人達にそう言い残し、圭織と二人走り出したのだ。

   ◇

誘拐された3人を救う為、パトカーは走る。
待ってろ、今助けに行くからな・・・・・俺がちゃんと生きてたらの場合だけど・・・・・。

「ぎゃぁ~!!と、飛ばしすぎだって!どわぁ~!!ぶ、ぶつかる!!死ぬ!死ぬ~!!」
「全然大丈夫だって、婦警といえばF1レーサー以上の力を持つんだから」
「そ、そ、そ、そんなの聞いた事ねぇ!!」
「世界的常識だよ、そんなの」
「うそつけ~~~!!!」
「ふふ~ん」
「どわぁ~!前!前!トラックが来てるって!元の車線に戻れっての!早く!!」
「はいは~い」

キーキキキキ  
キュルキュルキュル

「ガ、ガ、ガ、ガードレール!ガードレール!ぶ、ぶつかる!」

ガガガガガガガガガガ

「って擦ってる!擦ってる!」
「あらら・・・」
「あららじゃねぇって!!ぎゃあ~!もっと安全運転しろ~!!」
「ふふふふふ、行け~カオリン号!走れ~!!」
「ぎゃ~~!!死ぬ~~!!死ぬ~~!!死ぬ~~~~~~!!!!」

キュルキュルとタイヤを鳴らせながら、走り続けるカオリン号。
こんなやつが警察官やってて良いのか?
さ、さすが始末書カオリン・・・・今にも気絶しそうな中、俺はそう思うのだった・・・・。

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