ハロー荘へようこそ!~プロローグ~『ここはハロー荘!』

「行ってきま~す!」
「車に気をつけろよ~!」
「は~い!」

「行ってきま~す!」
「忘れ物はないのか?」
「だいじょうぶ!」

今日も朝から騒がしい。
東京郊外にあるこの建物は、ハロー荘という女子寮である。
その住人は、下は高校1年、上は30代前半と、年齢層は幅広い。
この建物は、昔この辺り一体の地主だった祖父の持ち物だ。
俺は幼い頃両親を亡くし、祖父に引き取られた後はここで暮らしていた。
そして、8年前、俺が22歳になる年に

『武、ここを女子寮にするぞ!』

と、祖父が突然言い出した。
祖父は昔から突拍子もない事をするのが好きな人だった。
だから俺も最初は驚きもしたが、特に反対する理由も無いので快く賛成したのだ。
そして女子寮を始めた当初、僅か5人だった住人も今では約30人の大所帯だ。

「おら、新人管理人、ちゃんと仕事しとるか」

関西弁の女性が声をかけてきた。
この女性は、この寮が出来た時からの住人で、中澤裕子さん。
高校の教師をやっていて、今年で32歳。
未だにここに住んでるという事は、つまりは独身って事だ。

「裕子さん、その呼び方止めてくんない?」
「だって新人やろ」
「そうだけどさ~」

彼女が俺の事を、『新人管理人』と呼ぶのは、俺がここの管理人になって間もないから。
元々管理人だった祖父は

『そろそろワシも隠居じゃ!』

と言って旅に出た。
そんな時、不景気の煽りを受けて俺の勤めてた会社が倒産。
そして職を失った俺に、白羽の矢が立ったというわけだ。
最初は俺に管理人なんて務まるのか心配だったが、それは杞憂だった。
それに、住人達とは元々顔見知りだったので、皆快く受け入れてくれたのだ。
裕子さんと、あともう一人の三十路越えの住人以外は、全員が俺より年下。
そんな年下の子達は、俺を兄よように慕ってくれてもいる。
まあある意味、それはそれで複雑だったりもするのだが。

「ほな、学校行って来るわ」
「は~い、生徒を虐待しないようにね」
「するか!ボケ!!」

裕子さんは、怒鳴りながら学校へと向かった。
まあ、これもいつもの光景。

「う~ん、ハロー荘は今日も平和だねぇ」

最後に俺自身の自己紹介。
俺は根良武、今年30歳になる色男、

「とは、誰も思っとらんで」
「ゆ、裕子さん!」
「妄想もたいがいにしい、ほなな」

裕子さんは再び学校へと向かった。
あ、あの人、わざわざ突っ込み入れるために戻って来たのか?
しかも、心の声に対して・・・・・。
まさか、妙な力あるんじゃないだろうな?
とまあ、ここには裕子さんみたいに変わった住人も数多く存在する。
そんな女子寮での、新人管理人としての俺の生活は始まったばかり。
これからどんな事が待ち受けているんだろう・・・・。
それは、作者・・・もとい、神のみぞ知るのである。





<あとがき>
プロローグって事で、簡単な舞台設定とオリジナルキャラの管理人に紹介です。
あと昨日も書きましたが、連載していたのが去年なので、年齢は現在より1歳若い設定です。
あとこの時点では小春ちゃんだけまだ入居していません。
だから『下は高校1年、上は30代前半~』って書き方になってます。

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